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1-1.がんとは

 江戸時代には、癌になる人の確率は8,000人に1人と言われていました。20年前には10人に1人と驚異的に増え、現在は、約3.5人に1人となり、毎年46万人の人が新たに癌にかかっています。癌はいつ誰がかかっても不思議ではない病気となり、日本の死亡原因の堂々第1位に輝いております。更に、後10年で癌は克服されると言われ続け、すでに20年以上が経過してしまいました。確かに、かなりのところまで解明されているのは事実ですが、未だにその決定打は出ておりません。

 では何故、このように癌患者が増え続けたのでしょうか。やはり、それは生活習慣の変化によるものと考えられます。特に食生活の欧米化、環境破壊、喫煙、便利さの追求による運動不足、ストレス・・・。さまざまな要因が複雑に影響しているものと考えられます。

 私たちの細胞は、3万から3万5千の遺伝子が入っているといわれ、遺伝子は常に発癌物質の攻撃にさらされています。しかし、私たちの身体には傷つけられた細胞を治す癌抑制遺伝子があり、簡単に正常細胞が癌細胞に変わってしまうわけではないのです。しかし遺伝子を傷つける要因が大量だと癌抑制遺伝子が懸命にがんばっても間に合わずミスが起こりやすくなります。更に喫煙など、長期に攻撃が続くと、癌抑制遺伝子までが破壊され、修復が不可能になり、癌細胞になりやすい土壌を作ってしまいます。

 人間の細胞は60兆個といわれますが、全てはたった1個の細胞が癌細胞に変わることから始まります。人間の古い細胞は、定期的に新しい細胞と入れ替わります。古い細胞の遺伝子を書き写し、それにしたがって新たに細胞が作られます。所謂古い細胞をコピーするわけですが、発癌物質が原因で遺伝子に傷がつくと、コピーミスが起きてしまうことがあります。このコピーミスが繰り返されるとやがて癌細胞へと変化してしまうことになるのです。癌細胞はいったん誕生すると簡単には死にません。それはもともと正常な細胞の突然変異のため、免疫機能が発揮されにくいという特徴があるからだと考えられます。また、正常な細胞は一定の数以上に増えないのですが、癌細胞は限度がなく増え続けます。1個の癌細胞が2個になるのに100日以上かかりますが、これが2個、4個、8個、16個と倍々に増えていきますから、30回細胞分裂を繰り返すと10億個以上になります。

 また、癌細胞は、動きが素早く、どんな所にも入り込み転移し、生命力が強く、激しく増殖していきます。これらの特徴のため、いったん癌になると非常に面倒なことになっていきます。

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1-2.西洋医学

 現在の西洋医学における癌治療には、大きく分けて

  1. 外科療法
  2. 放射線療法
  3. 化学療法

の3つがあり、これらを組み合わせて治療を行うケースがほとんどです。

 外科療法は、癌の患部そのものを直接切除する手術で、初期における乳癌・胃癌・直腸癌等に対して行われることが多いのですが、当然痛みを伴い、時期を越えると再発・転移の危険性が増大します。また、重度・末期には適さない治療法です。

 放射線療法は、癌細胞そのものに放射線を当て、直接癌細胞を死滅させる方法で、悪性リンパ腫、甲状腺癌、白血病など、切除が困難な場合に行うのが一般的です。しかし、正常な細胞にもダメージを与える可能性もあり、また、治療を行う医師の腕にかなり左右される場合が大きく、今後の課題が多く存在します。

 化学療法は、抗癌剤の投与が代表的です。その効果は、癌細胞の活動を抑えることにあります。しかし、がん細胞にダメージを与える半面、正常な細胞にもダメージを与え、副作用に苦しむケースが多く、寿命を縮める場合があることも事実です。

 上記の3つの治療法以外に、最近脚光を浴びているのが統合療法です。代替療法とは、自然の物質を用いた副作用の少ない療法であり、アガリクス、メシマコブ、AHCC、プロポリスなどが有名です。代替療法の作用は、人間本来が持つ自然治癒力、免疫力を高め、NK細胞、Bリンパ球、マクロファージの機能を高め、癌細胞に攻撃させると言うものが一般的です。保険診療ではありませんが、現在非常に脚光を浴びています。

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